ドローン

ドローンの許可と承認の違いとは?専門家が解説します。

ドローン許可と承認

今回はドローンの許可と承認の違いについて解説していきます。

ドローン飛行で許可と承認という文言があるんだけど、何が違うのかな?

こういった方に向けてこの記事を書きました。

この記事を最後まで読んでもらえれば許可と承認という言葉の違いを理解することができるのでぜひ最後まで読んでみてください。

ドローンの許可と承認の違いとは?

先に結論からいうと許可と承認の違いは以下のようになります。

許可と承認の違い
  1. 許可:法令により禁止されている行為を特定の場合に解除する行為
  2. 承認:承認権限のある機関が、他の機関や人の行為に与える同意のこと
これだけだと何のことか良く分からない…

となると思うので、許可と承認についてそれぞれケースを交えながら解説していきます。

ドローン飛行の許可とは?

ドローン飛行において航空法132条では次のような規定があります。

第百三十二条の八十五 何人も、次に掲げる空域においては、技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合(立入管理措置(無人航空機の飛行経路下において無人航空機を飛行させる者及びこれを補助する者以外の者の立入りを管理する措置であつて国土交通省令で定めるものをいう。以下同じ。)を講ずることなく無人航空機を飛行させるときは、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合に限る。)でなければ、無人航空機を飛行させてはならない。

一 無人航空機の飛行により航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあるものとして国土交通省令で定める空域

二 前号に掲げる空域以外の空域であつて、国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域の上空

2 何人も、前項第一号の空域又は同項第二号の空域(立入管理措置を講ずることなく無人航空機を飛行させる場合又は立入管理措置を講じた上で国土交通省令で定める総重量を超える無人航空機を飛行させる場合に限る。)においては、同項に規定する場合に該当し、かつ、国土交通大臣がその運航の管理が適切に行われるものと認めて許可した場合でなければ、無人航空機を飛行させてはならない。

引用:e-Gov

つまり国土交通省令で定められた空域でドローンを飛行する場合には許可が必要になりますということを言っています。

ちなみに、この「国土交通省令で定められた空域」とは次のような場所のことです。

  1. 空港等の周辺空域
  2. 人または住宅の密集している地域上空
  3. 地表または水面から高さ150m以上の空域
  4. 緊急用務空域

つまりドローンにおける許可とは禁止されている空域での禁止を解除してもらう行為ということになります。

ドローン飛行における許可とは、禁止されている空域での飛行行為を特定の解除する行為のこと。

ドローン飛行における承認とは?

一方でドローン飛行における承認に関しては次のように規定されています。

(飛行の方法)
第百三十二条の八十六 無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。
一 アルコール又は薬物の影響により当該無人航空機の正常な飛行ができないおそれがある間において飛行させないこと。
二 国土交通省令で定めるところにより、当該無人航空機が飛行に支障がないことその他飛行に必要な準備が整つていることを確認した後において飛行させること。
三 航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するため、無人航空機をその周囲の状況に応じ地上に降下させることその他の国土交通省令で定める方法により飛行させること。
四 飛行上の必要がないのに高調音を発し、又は急降下し、その他他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと。
2 無人航空機を飛行させる者は、技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合(立入管理措置を講ずることなく無人航空機を飛行させるときは、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合に限る。)を除き、次に掲げる方法により、これを飛行させなければならない。
一 日出から日没までの間において飛行させること。
二 当該無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させること。
三 当該無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に国土交通省令で定める距離を保つて飛行させること。
四 祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させること。
五 当該無人航空機により爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれがある物件で国土交通省令で定めるものを輸送しないこと。
六 地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令で定める場合を除き、当該無人航空機から物件を投下しないこと。
3 前項に規定する場合において、同項各号に掲げる方法のいずれか(立入管理措置を講じた上で無人航空機(国土交通省令で定める総重量を超えるものを除く。)を飛行させる場合にあつては、同項第四号から第六号までに掲げる方法のいずれか)によらずに無人航空機を飛行させる者は、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その運航の管理が適切に行われることについて国土交通大臣の承認を受けて、その承認を受けたところに従い、これを飛行させなければならない。

引用:e-Gov

上記の内容はつまり特定の場所でドローンを飛行するなら承認をきちんと受けてくださいということになります。

許可とは違いは最初から禁止されているわけではなく、ルール以外の方法なら承認があった場合にのみ特定の行為を認めることを指します。

言葉のニュアンスなのでどちらも実務的な違いはないのですが、どちらもきちんとルールを守らなければ罰則の規定があるので注意しましょう。

ABOUT ME
渡邊 涼介
ドローン業務を専門とする行政書士。知人が趣味で行っていたドローンでの空撮に付き添った時にその魅力に取り憑かれました。海外旅行や美味しいものを食べるのが好きです。ぜひ、お気軽にご相談ください!