今回はドローンで電波法違反にならないために知っておくべきというテーマで解説していきます。
こういった方に向けてこの記事を書きました!
- そもそも電波法とはどんな法律なのか?
- ドローンと電波法の関連性
- ドローンを飛行するときに知っておくべき電波法のポイント
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電波法とは?
電波法は、無線通信を行う際に必要となる免許や、無線通信に関する制限を定めた法律になります。
電波を使用するためには次のルールを守る必要があります。
- 定められた規格の機器を使用する
- 無線局の免許を受ける
- 資格を持った人(無線従事者)が操作する
これらのルールを守らない場合には電波法違反となってしまいます。
普段私たちが何気なく使用しているスマートフォンなども電波を使用していますが、スマートフォンの場合にはきちんと上記の要件を満たしているから特に電波法の違反にはならないわけです。
以下は電波法条文の一部抜粋になります。
第五十九条 何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第四条第一項 又は第九十条第二項 の通信たるものを除く。第百九条において同じ。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。
(罰則)
第百九条 無線局の取扱中に係る無線通信の秘密を漏らし、又は窃用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。引用:電波法
ドローン飛行における電波法との関わりについて
電波法に基づく規制は、ドローンのような新しい技術が出現した場合にも適用されます。
例えば、ドローンに搭載される無線通信機器についても、電波法に基づく免許が必要になります。さらに、ドローンの飛行に関する規制も、電波法に基づいて設けられています。
ドローンの飛行では以下の周波数を使用した伝送が主流です。
- 2.4GHz帯
- 5.7GHz~5.8GHz帯
それぞれの周波数がどういったものなのかをそれぞれ深堀して解説していきます。
2.4GHz帯
無線Wifiや電子レンジなどで多くの場面で使用されている電波になります。
こちらはドローンで使用されている電波のうち最も主流なものになります。
5.7GHz~5.8GHz帯
2.4GHz帯に比べると障害物に弱く、通信距離も短くなってしまう特徴があるのですがその分電波干渉を受けにくく通信速度はかなり高速なります。
この電波帯を使用するには免許が必要になります。
具体k的には以下のような切り分け方になります。
・趣味の場合:アマチュア無線技士の4級以上
・ビシネスの場合:『陸上特殊無線技士』の3級以上
それぞれの資格についてさっと紹介しておきます。
アマチュア無線技士の4級
特に受験資格はなく、誰でも受験可能な資格です。
出題内容は無線工学と法規について出題され、合格率は70%くらいになるようです。
それほど難易度の高い試験ではないようです。
陸上特殊無線技士3級
こちらも同様に合格率は70%~80%になるようです。
試験ではなくお金を支払って講習会を1日かけて取得する方法もあるようなので時間がない人はこの方法も良いかもしれません。
5.8GHzの場合には無線局の開設も必要
5.8GHzの場合には無線局の開設も資格と合わせて必要になります。
FPVドローンはリアルタイムでの映像が視認必須のため、多くは5.8Ghz帯の映像伝送をしています。
以下のサイトから申請が可能です。当事務所でも代理で申請することは可能でございますので面倒な方はぜひご依頼くださいませ。
ルールを守らないと罰則もあるので注意!
電波法第110条では以下のように記載されており、懲役一年以下または100万円以下の罰金になるので注意が必要です。
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(1) 第4条の規定による免許(略)がないのに、無線局を開設した者。
(2) 第4条の規定による免許(略)がないのに、かつ、第70条の7第1項の規定又は第70条の8第1項の規定によらないで、無線局を運用した者。
(5) 第52条、第53条、第54条第1号(略)の規定に違反して無線局を運用した者。引用:電波法
日本では5.8Ghz帯の電波を使用する場合には、個人用途の場合「第四級アマチュア無線技士」以上の資格、ビジネス用途では「第三級陸上特殊無線技士」以上の資格、それに加えて電波を使用するための開局申請が必要になります。
機体に技適マークがついていることも必ず確認すること
『技適マーク』とは『技術基準適合証明』の略称で、国内の電波法例で定められている技術基準に適合した無線機であること」を証明するためのマークになります。
日本国内で購入したドローンであれば基本的に問題ないと思いますが、海外で購入したドローンなどの場合には技適マークが付いていないケースもあるので必ずチェックするようにしましょう。
技適マークがついていない機体を飛ばした場合にも電波法の違反となります。
ドローンに使われている電波一覧
無線システム名称/無線局種 | 周波数帯 | 送信出力 | 伝送速度 | 利用形態 | 無線局免許 | 備考 |
ラジコン操縦用微弱無線 | 73MHz帯等 | ※1 | 5kbps | 操縦 | 不要 | 農薬散布での利用が主体 |
無人移動体画像伝送システム | 169MHz帯 | 10mW | ~数百kbps | 操縦 画像伝送 データ伝送 |
要 | 平成28年8月に産業利用 として制度整備 |
特定小電力無線局 | 920MHz帯 | 20mW | ~1Mbps | 操縦 | 不要※2 | 操縦用として利用 |
携帯局 | 1.2GHz帯 | 1W | (アナログ方式) | 画像伝送 | 要 | 空撮等の画像伝送利用 |
小電力データ通信システム | 2.4GHz帯 (2400~2483.5MHz) |
10mW/MHz (FH方式は3mW/MHz) |
200k~54Mbps | 操縦 画像伝送 データ伝送 |
不要※2 | ドローンの操縦・画像伝送 等で最も広く使用されて いる無線システム |
無人移動体画像伝送システム | 2.4GHz帯 (2483.5~2494MHz) |
1W | ~数十Mbps | 操縦 画像伝送 データ伝送 |
要 | 平成28年8月に産業利用 として制度整備 |
無人移動体画像伝送システム | 5.7GHz帯 | 1W | 数十Mbps | 画像伝送 データ伝送 |
要 | 平成28年8月に産業利用 として制度整備 |
引用:https://www.mlit.go.jp/common/001154535.pdf
※1: 500mの距離において、電界強度が200μV/m以下
※2: 免許を要しない無線局については、無線設備が電波法に定める技術基準に適合していることを事前に確認し、証
明する「技術基準適合証明又は工事設計認証」を受けた無線設備を使用する場合に限る。
ドローン飛行するなら電波法をきちんと理解しよう
今回はドローンで電波法違反にならないために知っておくべきというテーマで解説してきました。
ドローンを飛行する方であればきちんと電波法を理解しておかないと気づかないうちに法律を犯していたということにもなりかねないので気をつけましょう。
- 技適マークのある機体であることを確認する
- 5.7GHz~5.8GHz帯の場合には資格が必要(趣味かビジネスかで資格は変わる)
- 5.8GHzの場合には無線局の開設も必要になる
当事務所では無線局の開設のお手伝いもしておりますのでご依頼の際は是非ご連絡くださいませ。