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ドローンを150m以上の高度で飛ばすには?申請先についても解説

今回はドローンを150m以上の高度で飛ばすための申請について解説します。

ドローンをイベントの上空や山、海などで飛ばしたいけど、高度の問題が難しい。。どうやったら150m以上の高さで飛ばせるのか教えて欲しいな。

こういった方に向けてこの記事を書きました!

この記事を最後まで読んでもらえると次のようなことが分かります。

この記事で分かること
  1. 150m以上の高度の飛ばす方法
  2. 150m以上の高度の飛ばすときの必要な許可申請・手順
  3. 150m以上の高度の飛ばすときの注意すべきポイント
ドローン行政書士 渡邊涼介
ドローン行政書士 渡邊涼介
ドローンを150m以上の高度で飛ばしたいと考えている方は参考になるはずなので、ぜひ最後までご覧ください。

ドローンを150m以上の高度で飛ばすには?

ドローンを150m以上の高度で飛ばすためには、航空法に基づいて国土交通大臣の許可を受ける必要があります。

具体的な手順について解説をしていきます。

1. 事前準備

  1. 飛行計画の作成
    • どの場所で、どのような目的で、どのくらいの期間飛行させるのか具体的な計画を立てます。
  2. 必要書類の準備
    • ドローンの機体情報(製造元、機種、シリアルナンバーなど)
    • 操縦者の情報(氏名、住所、連絡先など)
    • 安全対策の計画書(飛行区域の安全確認、緊急時の対応策など)

2. 許可申請の手順

  1. オンライン申請システムの利用
  2. 申請書の作成
    • システム内で飛行計画や機体情報、安全対策など必要な情報を入力し、申請書を作成します。
  3. 申請書の提出
    • オンラインシステムを通じて申請書を提出します。書類がすべて揃っているか確認しましょう。

3. 許可取得後の準備

  1. 飛行前確認
    • 許可を取得した後も、飛行前にドローンの点検や飛行区域の安全確認を徹底します。
  2. 関係機関への連絡
    • 許可を取得した内容に基づき、必要に応じて飛行区域の関係機関(例えば警察や消防)に飛行計画を知らせます。
  3. 飛行中の安全管理
    • 許可条件を遵守し、飛行中も安全管理を徹底します。万が一のトラブルに備えて緊急時の対応策を確認しておきます。

注意事項

  • 許可取得までの時間:申請から許可が下りるまでに一定の時間がかかるため、余裕を持って申請を行いましょう。
  • 遵守事項:許可を受けても、飛行中のルールや規制を遵守することが求められます。
  • 期限:許可には有効期限があるため、その期限内に飛行を行うようにします。期限を過ぎた場合は再申請が必要です。

まとめ

ドローンを150m以上の高度で飛行させるには、国土交通大臣の許可が必要です。

ドローン行政書士 渡邊涼介
ドローン行政書士 渡邊涼介
具体的な手順に従い、必要書類を準備してオンライン申請システムを利用して許可を取得しましょう。

ドローンを150m以上の高度で飛ばす必要があるケース

ドローンを150m以上の高度で飛ばす必要があるケースには、いくつかの特定の用途があります。

以下はその代表的なケースです。

空撮

  • 映画・テレビ撮影: 映画やテレビ番組の制作では、広範囲の風景や都市全体を撮影するために高高度での撮影が必要になることがあります。
  • 広告・プロモーションビデオ: 広告やプロモーションビデオでは、インパクトのある映像を撮るために高い高度からの空撮が利用されます。

測量・地図作成

  • 広範囲の測量: 地図作成や地理情報システム(GIS)のために、広範囲の地形を正確に測量する必要があります。高高度からの撮影により、一度に広い範囲のデータを収集できます。
  • インフラ点検: 高架橋や送電線などのインフラを点検する際に、高度な視点から詳細なデータを収集することが求められます。

環境調査

  • 森林調査: 森林全体の状況を把握するために、高高度からの撮影が有効です。これにより、森林の健康状態や樹木の密度などを評価できます。
  • 海洋調査: 海岸線や広い水域を調査する際には、高い高度からの観測が有効です。海洋の汚染状況や潮の流れを把握するために使用されます。

災害対応

  • 災害状況の把握: 自然災害が発生した際に、被災地全体の状況を迅速に把握するために、高高度からの空撮が必要になります。これにより、救助活動や復旧計画を効率的に立てることができます。
  • 捜索救助: 広範囲にわたる捜索救助活動では、高い高度からの視点で広範囲を迅速に捜索することが求められます。

研究開発

  • 気象観測: 気象データの収集や気候研究のために、高高度からの観測が必要です。これにより、気象パターンや気候変動を詳しく研究することができます。
  • 宇宙開発: ロケット打ち上げやその他の宇宙関連の研究において、高高度での観測や撮影が行われます。

その他

  • イベント撮影: 大規模なスポーツイベントや音楽フェスティバルなど、広いエリアでのイベントを上空から撮影する際に、高高度からの空撮が使用されます。
  • 商業用ドローンサービス: 高高度での撮影を必要とする顧客向けに、ドローンサービスを提供する場合があります。
ドローン行政書士 渡邊涼介
ドローン行政書士 渡邊涼介
これらのケースでは、高高度からの視点でのデータ収集や撮影が必要不可欠であり、ドローンの高度制限を超えて飛行する許可を取得することが求められます。
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ドローンを150m以上の高さで飛ばす時の申請先はどこ?

ドローンを150m以上の高さで飛ばす際の申請先は、国土交通省です。

具体的には、国土交通省が提供している「無人航空機飛行許可・承認申請システム」(DIPS: Drone Information Platform System)を利用して申請を行います。

申請手順の概要

  1. DIPSサイトにアクセス
  2. ユーザー登録
    • 初めて利用する場合は、システムにユーザー登録を行います。
  3. 申請書の作成
    • ログイン後、飛行計画や機体情報、安全対策など必要な情報を入力して申請書を作成します。
  4. 必要書類の添付
    • 機体情報や操縦者の情報、安全対策の計画書など必要な書類を添付します。
  5. 申請の提出
    • オンラインシステムを通じて申請書を提出します。
ドローン行政書士 渡邊涼介
ドローン行政書士 渡邊涼介
計画的に申請を行い、安全管理を徹底することが重要です。

ドローンを150m以下で飛ばす場合には飛行許可は必要ない?

ドローンを150m以下で飛ばす場合にも、特定の条件下では飛行許可が必要となる場合があります。

具体的には、以下のような条件下での飛行には許可が必要です。

飛行許可が必要な空域・条件

  1. 空港等の周辺空域
    • 空港や飛行場の周辺では、飛行機やヘリコプターとの衝突リスクが高いため、特に注意が必要です。
  2. 人または住宅の密集している地域上空
    • 都市部などの人や住宅が密集している地域上空での飛行は、許可が必要です。
  3. 地表または水面から高さ150m以上の空域
    • 150m以下でも、その他の規制条件に該当する場合は許可が必要です。
  4. 緊急用務空域
    • 警察や消防などが緊急活動を行う空域では、飛行許可が必要です。
ドローン行政書士 渡邊涼介
ドローン行政書士 渡邊涼介
緊急用務空域に関しては、ほぼ許可は出ないと思ってください。

その他の飛行ルール

許可が不要な空域であっても、以下の飛行ルールを守る必要があります。

  1. アルコールまたは薬物等の影響下で飛行させないこと
  2. 飛行前確認を行うこと
  3. 航空機または他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること
  4. 他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
  5. 日中(日出から日没まで)に飛行させること
  6. 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
  7. 人(第三者)または物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
  8. 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
  9. 爆発物など危険物を輸送しないこと
  10. 無人航空機から物を投下しないこと
ドローン行政書士 渡邊涼介
ドローン行政書士 渡邊涼介
このように、150メートル以下でドローンを飛行する場合であっても定められた飛行ルールを守る必要があります。

ドローンを150m以上の山で飛ばすときにはどうなる?

山だからといって航空法が適用されないわけではありませんのでその点は注意が必要になります。

ドローン行政書士 渡邊涼介
ドローン行政書士 渡邊涼介
これらの飛行ケースの場合には航空法に基づいてきちんと飛行許可を取得する必要があります。

飛行許可が必要になる高さ制限150mの考え方について

ドローン山高さ制限航空法では高さ150m以上の上空でドローンを飛行させる場合には飛行許可が必要になりますが。

注意が必要なのがこの150mがどこからを基準にしているか?という点になります。

ドローン行政書士 渡邊涼介
ドローン行政書士 渡邊涼介
結論としては、地表からというのがポイントになります。そのため仮に山の高さが150mあったとしてもその地点から149m以下の高さであれば飛行許可は必要ありません。

ただし気づかぬ内に違反飛行になっている場合に注意

ドローンの飛行許可申請の基準は「地表からの距離」と解説しましたが、気づかぬ内に違反飛行になっている場合があるので注意しましょう。

というのも最初に山頂部分から飛行を開始したときには地表から150以上を飛行していなかったとしても、平行移動をしていくうちに平野の上空にドローンを飛行した場合は地表から150mを超えてしまっているケースです。

ドローン山高さ制限

あくまでもドローンが飛行している場所の「地表からの距離」が基準になるので、飛ばし始めた時の距離が問題なかったからOKだという話ではありませんので注意しましょう。

150m以上の高度で飛ばすために必要な機体の制限などはあるのか?

150m以上の高度でドローンを飛ばす際には、機体の性能や規格に対する制限があります。

以下の点に注意してください。

技術基準適合証明(技適マーク)

  • 技適マークの取得: 日本国内で合法的にドローンを飛行させるためには、電波法に基づき技適マークを取得していることが必須です。特に150m以上の高度で飛行する場合、この基準を満たしていないと飛行が許可されません。

安全性能

  • GPS機能: 高高度での飛行ではGPS機能が非常に重要です。位置情報を正確に把握し、安全に飛行させるために、GPS搭載のドローンを使用することが推奨されます。
  • 耐風性能: 高高度では風が強くなる傾向があります。耐風性能が高いドローンを選ぶことが、安全な飛行に繋がります。
  • 高度制限設定: 多くの商用ドローンには飛行高度の上限を設定する機能があります。150m以上の飛行が可能な機体を選ぶ必要があります。

操縦者の資格

  • 操縦資格: 高度な飛行操作が要求されるため、操縦者が適切な資格を持っていることが求められます。特に、国土交通省が発行する「無人航空機の飛行に関する技能証明」などの資格があると信頼性が高まります。
信頼性の話になってくるので、必ずしも資格が必要ということではないです。

飛行計画

  • 詳細な飛行計画: 高高度での飛行では、詳細な飛行計画の作成が不可欠です。飛行ルート、飛行時間、緊急時の対処法などを含む具体的な計画を立てる必要があります。

保険

  • 賠償責任保険: 高高度飛行はリスクが高いため、賠償責任保険に加入しておくことが推奨されます。事故や損害に対する備えをしておくことで、安全性が向上します。

国土交通大臣の許可

  • 許可の取得: 150m以上の飛行には、事前に国土交通大臣の許可を取得する必要があります。申請には、ドローンの性能や飛行計画を詳細に記載した書類を提出し、審査を受ける必要があります。

機体の登録

  • 機体登録制度: ドローンは国土交通省の無人航空機の機体登録制度に登録されている必要があります。登録番号を機体に表示することも求められます。
登録番号を記載したテプラなどを、機体に貼っておくと分かりやすいです。

まとめ

ドローンを150m以上の高度で飛ばす際には、航空法に基づいて国土交通大臣の許可が必要です。

具体的なケースとしては、映画やテレビの空撮、広範囲の測量や地図作成、森林や海洋の環境調査、災害対応、気象観測、イベント撮影などが挙げられます。

許可を取得するためには、飛行計画の詳細を提出し、安全対策を講じることが求められます。

特に山などの標高が高い場所での飛行では、高度の認識に勘違いが起きやすいので気をつけてください。

ABOUT ME
渡邊 涼介
ドローン業務を専門とする行政書士。知人が趣味で行っていたドローンでの空撮に付き添った時にその魅力に取り憑かれました。海外旅行や美味しいものを食べるのが好きです。ぜひ、お気軽にご相談ください!